医療情報システムにおける必須化された二要素認証と指紋認証ICカードの活用
2025.07.09

医療情報システムにおける必須化された二要素認証と指紋認証ICカードの活用
はじめに
近年、医療情報はクラウド化やリモートアクセスの普及によりサイバー攻撃の標的となりやすく、個人のプライバシーを脅かすリスクが増大しています。このような背景を受け、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6版」では、令和9年(2027年)稼働のシステムに対して原則二要素認証の導入が義務付けられました
二要素認証とは何か?
二要素認証(2FA)は、次の3タイプの認証要素から2つを組み合わせる仕組みです
-
知識認証(ID/パスワードなど)
-
所持認証(ICカードなど所有物)
-
生体認証(指紋・顔・虹彩など)
たとえば「ID+ICカード」や「ICカード+顔認証」といった組み合わせにより、パスワード漏えいやカード紛失時の不正ログインを大幅に防止できます。
なぜ指紋認証ICカードが医療現場で最適なのか
医療従事者は日々多くのシステムへログイン/ログアウトを繰り返します。
●パスワード複雑化の負担:強固なパスワード入力は手間となり、運用ミスを招きがち。
●顔認証サーバ構築のコスト:顔画像登録やサーバ運用に追加コスト・作業が発生。
これらの課題を解決するのが、ICカードに指紋センサーを内蔵した「指紋認証ICカード」です。カードをかざし、内蔵センサーに指をあてるだけで「所持認証+生体認証」を同時にクリアし、既存のICカード認証システムからの移行もスムーズです
導入メリットと活用シーン
指紋認証ICカード導入の主なメリットと利用例をまとめます。
サーバ不要 | カード内完結型の生体認証で、指紋認証サーバ構築が不要 |
管理負担の軽減 | ID情報と指紋情報の紐付け作業が不要 |
運用コストの最小化 | 既存ICカード認証基盤を活用でき、追加設備がほとんど不要 |
利用シーンの多様化 | 電子カルテログオン、勤怠打刻、サーバ室・薬庫の入退室管理など対応 |
–––
まとめ
ガイドライン義務化により、医療機関は今後二要素認証の導入が不可避です。特に「指紋認証ICカード」は利便性とセキュリティを両立し、現場の負担を抑えながら安全性を大幅に向上させるソリューションとして最適と言えます。二要素認証の導入をご検討中の医療機関は、ぜひ指紋認証ICカードの活用をご検討ください。
この記事を書いた人
村上 泰佑営業部
大学卒業後、大手情報通信業の会社に入社。
その後は美術関連などのクリエイティブ業に従事、箱メーカーや研美社にて12年の工場長、プロダクトマネージャーを経験。
現在は営業部の第一線として製造の経験を生かした幅広いカード製作の提案を行っている。
特にICカードやシステム絡めた営業を得意としている。
